海水水槽はとてもキレイで魅力がありますが、維持管理していくのは思っている以上に大変です。まず始める前にどのような所に苦労し初心者の方が挫折しやすい所をあげていきたいと思います。
① 維持管理が大変
1・水換え
水槽の水換えは飼育している生体や水槽の大きさで異なりますが、1〜2週間に1回水槽の1/3〜1/2程度、飼育水を入れ替えしなくてはなりません。
これを怠ると水質悪化で生体がすぐに体調を崩してしまいますし、1度体調を崩してまうと戻すのは難しいです。
水槽が小さくても何度もバケツを持って行って来いを繰り返すのでかなりの重労働になります。飼育水を捨てる場所が近ければ近いほど楽になります。(注意)2階はどんなにマメな人でもとてもキツイと思いますので設置場所はよく考えてから決めた方が良いです。
2・機材の掃除・コケ取り
機材の掃除は水換えと同時にやる事が多いいですが水換えほど頻度は高くなくても大丈夫ですので目視で汚れてるのがわかれば掃除はしましょう。掃除せずに放置してそのまま使用すれば水質悪化の原因になります。
プロテインスキマーで例えると汚れを溜めるカップは1週間に1回程度、本体内部で洗える場所であれば半年に1回程で掃除しましょう。これらをサボると勿論本来の能力を発揮できず、能力低下を起こし水質悪化を起こしてしまいます。
またコケは必ず生えてきます。水槽のガラス面は比較的簡単に落とせますが、底砂やライブロックに生えたコケは落とすのが大変で、最初の水槽立ち上げ時は水質が安定していない為コケが多く発生します。対策が必要ですが経験を積んでいけばコケの発生はゼロにはなりませんが楽になっていきます。
3・温度管理
海水水槽は温度管理がとても重要です。1℃・2℃の変化でも生体にストレスを与えてしまう為一年を通して慎重にならなければなりません。夏場は水槽用のクーラーの設置、冬場はヒータの設置が必ず必要になります。
注意として暑い時期に設置するクーラーはとても高価になります、高いからと言って安い方のクーラーを選んだり、水槽の多きさより小さい能力のクーラーを選ぶのは絶対にやめて下さい。できれば購入する水槽の多きさ以上の能力があるクーラーを購入をお勧めします。
小さい能力のクーラーを選ぶと、ずっと運転しっぱなしになり電気代にも影響したり、設定温度まで落とす能力が足りなかったりします。そうなると飼育したい生体を飼う事すらできなくなり、買い替えを考えるしか無くなります。
大きい能力のクーラーであれば、余裕のある運転になり機械本体の負担も少なくなり長持ちにつながりますし、電気代の負担・飼育したい生体の幅も広がります。クーラーは高くても妥協しないようにしましょう。
②ランニングコストが予想以上にかかる
1・海水用の人工海水・添加剤
機材は1度買えば長く持つ為、初期投資としては大きいですが常にかかる物ではありません。ですが海水水槽を維持する為には常にお金がかかるものがあります。海水を作るには人工海水の元が必要になります。これは水槽の多きさでどれほどかかってくるか個人差がありますが必ず必要なものです。
また添加剤も必要になります。添加剤とは水質を安定させ生体の健康を維持する為に必要なものになります。(特に飼育が難しいサンゴやイソギンチャクなど飼育する場合には必須)
カルシウム・アルカリ度・マグネシウムなど他いろいろあります。
比較的飼育が簡単な生体の場合には必要になるものは少ないですが、生体のレベルを上げていくにつれて必要な添加剤が増えていくと考えましょう。
2・電気代のアップ
水槽を維持していくには多くの機材が必要な為、その分電気代に大きく影響します。中でも1番は夏場のクーラーになります。クーラーの多きさでも変わりますが、あなたが思っている以上かもしれません、しっかり頭に入れておきましょう。また冬場のヒーターや1年を通して必要になるLED照明もかかってきます。
3・必要機材の故障(修理や買替え)
最初に必要な機材を購入しても必ず買い替え時がきます、電化製品である為当たり外れもあり思いもよらないタイミングで故障する事もあると思います。少しでも長く持たせる為の掃除などのメンテナンスを怠らない様にしましょう。
③生体のトラブルで心が折れる
1・頻繁に病気にかかってしまったり、生態が急に☆になってしまったり、それらが頻繁に続くと精神的にも辛くなります。何が悪かったのかしっかり考え繰り返さない様に努力しましょう。
2・サンゴやイソギンチャクなど飼育が容易ではない生体に関しては、慣れていない初心者の場合さらに☆にしてしまう可能性がある為、自信を無くしてしまうかもしれません。
3・魚同士の相性が悪く喧嘩やストレスで体調を崩す事もあります。知識が浅いと飼いたい魚はどれでも飼えると勘違いしてしまいがちです、しっかり仲良く共存できる種類か、また共存していける環境を作ってあげましょう。
水槽のサイズがとても大きいのであればそれも可能かもしれませんが、小さい水槽になると縄張り争いや、人間と同じくイジメる魚、イジメられる魚が出てきます。魚を選ぶ際にはどの魚同士が相性がいいのかしっかり事前に調べておきましょう。
ライブロックなどのレイアウト次第で生体へのストレス軽減出来ますし、とても大切です。
水槽の多きさや設置している機材で水槽に入れられる生体の数も限られてきます、キャパオーバーすると水質悪化も考えられるので注意しましょう。
④自然災害・ライフスタイスの変化
1・自然災害はどこにいても避けられません、地震や洪水、停電など特に地震に対しては少しの揺れでも水槽に多く海水が入っていれば溢れる事もありますので、溢れない対策はしておきましょう。
ライフスタイルの変化は引越し、仕事などが忙しくなり管理に使う時間がなくなってしまったり、結婚や子供が生まれたり色々考えられます。それらが予想されるのであれば比較的小さめの水槽でメンテナンスの比較的簡単な飼育をお勧めします。
まとめ
海水水槽に限りませんが生き物を飼うという事は、お世話を必ずしなくてはなりません。その中でも海水水槽は大変な方かもしれませんが飼育する前にもう1度自分に出来そうか、出来なそうかをしっかり考えてから挑戦してみて下さい。