なぜ蒸発と水足しが大切なのか?
海水水槽では、水槽内の水が時間とともに蒸発して減っていきます。
しかし蒸発するのは「水分(H₂O)」だけで、塩分(塩化ナトリウムなど)は残るという点が重要です。
つまり、水位が下がると…
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水槽内の塩分濃度(比重)が上がる
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魚やサンゴにストレスを与える
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長期間放置すると致命的なダメージ
となるため、こまめな水足しが必要になります。
初心者がよくする間違い
❌ 蒸発した分を海水で足してしまう
「水が減った=海水が減った」と考えて、海水を足す方が多いですが、これは間違いです。
海水を足してしまうと…
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塩分がさらに濃くなってしまう
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比重がどんどん上がり、生体が弱る
正しい水足し方法
✅ 蒸発で減った分は「真水(RO水またはカルキ抜き済み水道水)」を足す
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蒸発したのは水分だけなので、純水を足して元の比重に戻すのが正解です。
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RO/DI水(純水装置を通した水)が理想ですが、初心者ならカルキ抜きした水道水でもOK。
✅ 海水を足すケース
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水換えのときだけが海水を足すタイミングです。
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蒸発分の補充と、水換え(古い水を抜いて新しい海水を入れる)はまったく別の作業、と覚えておきましょう。
水足しの手順(初心者向け)
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水位を確認
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基本はサンプ(水槽下部の濾過槽)や水槽のリムラインで判断。
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比重を測る
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比重計や屈折計で現在の比重を確認。
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理想は1.023〜1.026付近。
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真水を少しずつ足す
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一度に大量ではなく、コップ1杯単位で足しながら比重を調整。
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蒸発対策を考える
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夏場やエアコン使用時は特に蒸発が早いので、自動給水システムの導入がおすすめ。
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まとめ:蒸発と水足しの正しい理解が水槽安定のカギ
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蒸発で減るのは「水分」だけ、塩分は残る
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蒸発分は必ず「真水」で補充
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海水を入れるのは「水換え」のときだけ
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定期的に比重をチェックしながら、コツコツ管理することが大切
初心者はこのポイントを押さえておくだけで、水槽トラブルの多くを防ぐことができます。