
ライブロックとは?
ライブロックは、海で採取されたサンゴの死骸や石灰質の岩に、バクテリアや微生物が住み着いたものです。
水槽に入れることで ろ過能力の向上・自然な景観・生物多様性の確保 など、多くのメリットがあります。
ただし、海から来たばかりのライブロックには「不要な生物」「腐敗しかけた有機物」が付着していることがあり、そのまま水槽に入れると 水質悪化や害虫の混入 に繋がります。
そこで必要になるのが キュアリング です。
キュアリングとは?怠ると?
キュアリング(Curing) とは、ライブロックに付着した不要な有機物や死骸、害虫などを除去して、水槽に安全に導入できる状態にする作業のことです。
初心者はここを省略しがちですが、キュアリングを怠ると…
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水槽立ち上げ初期にアンモニア・亜硝酸が急上昇 → 魚やサンゴが死んでしまう
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害虫(カーリーイソギンチャク、ゴカイ類、甲殻類など)が入り込みトラブルの原因に
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コケや不快な藻類が爆発的に繁殖する
といった大きなリスクがあります。
ライブロックのキュアリング手順
① 下準備
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専用の容器や予備の水槽 を用意(本水槽に直入れはNG)
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海水(比重1.020〜1.025程度)を作っておく
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強めの水流ポンプと、場合によってはプロテインスキマーを準備
② ライブロックの洗浄
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ライブロックを海水で軽くすすぎ、表面の泥や汚れを落とす
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ピンセットやブラシで死骸・藻類・不要な付着物を取り除く
③ キュアリング水槽に設置
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強めの水流を当ててデトリタス(ゴミ)を舞い上げる
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水温は24〜26℃を保つ
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照明は基本不要(コケを防ぐため)
④ 水質管理
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最初の1週間はアンモニア・亜硝酸が高く出やすい
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定期的に水換え(2〜3日に1回)
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2〜3週間程度かけて水質が安定するのを待つ
⑤ 完了の目安
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水質検査で アンモニア・亜硝酸がゼロ になった
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腐敗臭がなくなり、石灰藻(ピンクや紫色)が徐々に目立ってきた
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小さな微生物が活動しているのを確認できる
これらがそろえば本水槽に導入可能です。
本水槽への入れ方のポイント
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底砂を敷く前に「土台用のライブロック」を置くと崩れにくい
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大きな岩は下、小さな岩は上に配置して安定感を出す
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水流が全体に回るように「トンネル」や「隙間」を意識する
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掃除しやすいようにガラス面から少し距離を取る
まとめ
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ライブロックは水槽の「ろ過装置」かつ「生態系の基盤」
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キュアリングを省略すると水質悪化や害虫混入のリスク大
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2〜3週間のキュアリングを経てから本水槽に導入するのが安全
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配置は水流・安定感・メンテナンス性を考えて行う
初心者ほど「焦らず丁寧なキュアリング」を実践することで、水槽立ち上げがスムーズになります。