
海水水槽を始めるとき、「どのライトを選べばいいのか?」という悩みは多くの初心者が直面する問題です。照明は見た目を美しくするだけでなく、水槽内の生体の健康や成長にも大きな影響を与えます。ここでは、照明とサンゴ・魚の関係をわかりやすく解説します。
照明の種類と役割
海水水槽で使われる照明は、大きく分けると次の3種類があります。
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蛍光灯
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光が柔らかく、色の再現性が高い
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初心者向けで導入しやすい
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サンゴの育成も可能だが、強光を必要とする種類には不十分な場合がある
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LEDライト
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消費電力が少なく、寿命が長い
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青系の光を簡単に強化できる
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プログラムで昼夜や色温度を調整可能
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メタルハライド(MH)
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強い光が出るので、光をよく必要とするサンゴ向き
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発熱が大きく、水温管理が必要
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青い光(ブルーライト)の重要性
海水水槽では、青系の光は特に重要です。理由はサンゴの性質に関係しています。
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サンゴには**褐虫藻(かっちゅうそう)**という共生藻が住んでおり、この藻が光合成で栄養を作り出す
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光合成は主に青色光や紫外線を吸収して効率よく行われる
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そのため、青い光が不足するとサンゴの色が悪くなったり、成長が遅くなる
さらに、青い光は水中でよく届く波長なので、水槽の奥まで光が届きやすく、サンゴ全体の健康維持にも有効です。
魚だけの水槽の場合
魚だけの水槽であれば、照明の種類にそこまで神経質になる必要はありません。
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魚は光合成を行わないため、青い光は必須ではない
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見た目の美しさや、魚の行動サイクルを考えて照明を選ぶ
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昼夜のリズムを作るために12時間前後の点灯時間を目安にする
ポイントは、魚のストレスを減らすことです。強すぎる光や照明の色温度が極端に偏ったものは避けましょう。
初心者におすすめの照明選び
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サンゴ水槽:LEDライトで青系をしっかり含むものを選ぶ
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魚だけの水槽:光量や色にこだわらなくてもOK、昼夜のサイクルが作れるもの
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両方の混泳水槽:サンゴが光合成できる青系光+魚が見やすい白系光のバランスが大切
照明の管理ポイント
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点灯時間の管理
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サンゴ:8〜12時間を目安に
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魚だけ:10〜12時間で自然な昼夜リズムを作る
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水槽の位置と高さ
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強い光が必要なサンゴは、水面に近い場所に配置する
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光が弱くても育つサンゴは奥や下段に
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光の強さと成長の観察
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サンゴが色落ちしたら、光量不足の可能性
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コケが増えすぎたら光量や点灯時間が多すぎる可能性
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まとめ
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青い光はサンゴにとって重要で、健康や色の鮮やかさに直結する
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魚だけの水槽では青い光は必須ではなく、見た目や昼夜のリズムを意識すればOK
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初心者はLEDライトがおすすめで、点灯時間や光量を調整しながら生体の様子を観察することが大切
海水水槽の照明は「見た目を美しくするだけでなく、生体の健康を守る役割」もあります。魚とサンゴ、それぞれに合った光環境を整えて、長く楽しめる水槽作りを目指しましょう。