海水水槽を長く続けていると、気になるのがコケや藻の発生。
そんなときに頼もしい助っ人として人気なのが「エメラルドグリーンクラブ」です。
今回はその魅力や飼育のコツ、注意点まで詳しくご紹介します。
エメラルドグリーンクラブってどんな生き物?
エメラルドグリーンクラブは、名前の通り鮮やかな緑色をした小型のカニ。
最大でも甲幅3〜4cm程度とコンパクトで、見た目も美しく、観賞性も高い生体です。
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学名:Mithraculus sculptus
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原産地:カリブ海周辺
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性格:基本的におとなしいが、食べ物が少ないと攻撃的になることも
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寿命:2〜4年程度(飼育環境により差あり)
特徴と役割
エメラルドグリーンクラブは、水槽内のコケ掃除屋さんとして有名です。
特に「バブルアルジー(バブル状の緑藻)」を食べてくれる数少ない生体のひとつ。
役割の例
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バブルアルジー除去
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残餌処理(底に落ちたエサを食べる)
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岩やライブロック表面のコケ削り
飼育環境
水槽サイズ
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30cm水槽からでも飼育可能(小型水槽に向く)
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他の生体と混泳させる場合は45cm以上が安心
水温・水質
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水温:24〜26℃
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比重:1.023〜1.025
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水質は安定していることが重要。急な水質変化に弱い。
隠れ家
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岩やライブロックの隙間を好む
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隠れるスペースを多めに作るとストレスが減る
エサ
普段はコケや藻を食べますが、それだけでは栄養が偏ります。
人工飼料(海水魚用フードや海藻シート)を補助的に与えましょう。
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コケが少ない水槽では餌不足になりやすい
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週に数回、沈下性のフードを与えるのがおすすめ
混泳相性
相性の良い生体
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小型でおとなしい魚(カクレクマノミ、デバスズメなど)
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他のクリーナー生体(ヤドカリ、スカンクシュリンプなど)
相性が悪い場合がある生体
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小型の底物(小型ハゼ、稚魚)
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餌不足時には弱い生体を襲うこともあるので注意
メリット・デメリット
メリット
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バブルアルジー除去能力が高い
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小型水槽でも飼育できる
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見た目が美しく観賞価値がある
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コケ取りと残餌処理の両方をこなす
デメリット
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餌不足時に他の生体を攻撃する可能性あり
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水質変化にやや敏感
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脱皮時に弱りやすい
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コケが豊富な環境でないと本来の役割を発揮できない
飼育のコツ
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水槽立ち上げ直後よりも、コケが出始めたタイミングで導入
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隠れ家をしっかり用意し、ストレス軽減
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コケが減ってきたら人工餌を補助的に与える
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脱皮後は特に弱るので水質を安定させる
初心者が失敗しやすいポイント
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コケが少ない水槽で餌を与えない → 餌不足から魚やエビを襲うことも
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導入直後に水質変化 → 環境変化で衰弱するケースあり
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脱皮後に他の生体と同居 → 脱皮直後は殻が柔らかく、攻撃されやすい
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隠れ家不足 → ストレスで弱り、寿命が縮む
導入時チェックリスト
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水槽は立ち上げから1〜2か月以上経っている
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水温・比重は安定している(急変がない)
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バブルアルジーやコケがある程度発生している
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隠れ家となるライブロックやレイアウトがある
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コケが減った場合の人工餌を用意している
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混泳魚との相性を確認済み
まとめ
エメラルドグリーンクラブは、見た目の美しさと実用性を兼ね備えた優秀な水槽メンバー。
ただし「万能な掃除屋」ではなく、環境や餌の管理が必要です。
正しく飼育すれば、長くあなたの水槽をサポートしてくれる存在になります。